東武博物館が所有している東武鉄道8000系8111編成が、南栗橋車両管区春日部支所から南栗橋車両管区七光台支所へ転属し、先週の水曜日から定期営業列車でも運用を開始しています。
東武鉄道8000系8111編成は、1963年に日本車輛製造東京支店にて製造され、東上線で運用されていました。4両固定編成で製造されたため、輸送力増強のために1972年に中間車が2両増備され6両固定編成となり、1977年には冷房を搭載するための改造が行われました。1986年に津覇車輛にて修繕工事が施工され、塗装が現行の8000系と同様のジャスミンホワイトに、ロイヤルブルーとリフレッシュブルーの帯に塗り替えられましたが、2011年に定期営業列車での運用を終了し、休車になっていました。その後、技術継承とイベントでの運転などを目的に東武博物館により動態保存されることになり、動態保存を行うにあたって、トップナンバーである8101編成を保存することが当然の帰結ではないかと考えられましたが、8101編成は1988年に修繕工事により前面の形状が6050系と同様の形状へ改造されており、2013年度に廃車予定であったため、8000系の中でも唯一原型を留めていた8111編成が動態保存されることになりました。2012年に森林公園検修区から南栗橋車両管区春日部支所へ転属となり、塗装は就役当時のロイヤルベージュとインターナショナルオレンジのツートンカラーに復元し、床が就役当時の物と同様の物に張り替えられ、同年の8月から臨時列車と団体列車で運用されるようになりました。
2016年8月には、1974年から1986年まで塗られていたセイジクリームに復元され、2020年から南栗橋車両管区で保管されていましたが、再び就役当時のロイヤルベージュとインターナショナルオレンジのツートンカラーに復元され、先月28日に南栗橋車両管区七光台支所へ転属しました。転属した理由については8000系就役当時の原型を保つ8111編成を多くの方に触れてもらうことが目的で、東武アーバンパークラインには来年度に新型車両を導入することが予定されていますが、8000系8111編成の今後の活躍に期待したいです。
参考文献
「セイジクリームの東武電車 ~東上線開業100周年を記念して8000系で復活~」花上嘉成鉄道ファン2014年8月号株式会社交友社平成26年8月1日発行
波乱万丈!東武鉄道マン記 花上嘉成株式会社交通新聞社2016年1月25日発行
東武博物館だより2016年11月号 一般財団法人東武博物館平成28年11月1日発行
「8111F「転属記念回送列車ツアー」ならびに「ライトアップ撮影会」を実施します。」東武鉄道株式会社2023年10月11日のニュースリリース
「東武8111Fは野田線で定期運用(報道)」4号車の5号車寄りURL(https://4gousya.net/forums/post/東武8111fは野田線で定期運用報道)2023年11月7日参照
「東武8111Fが野田線での定期運用を開始」4号車の5号車寄りURL(https://4gousya.net/forums/post/東武8111fの野田線での定期運用開始)2023年11月7日参照