札幌駅はJR北海道最大の拠点駅です。現在、2031年の北海道新幹線新函館北斗ー札幌間延伸に向けて、工事が進んでいます。
延伸に合わせて駅舎については、「大地の架け橋」をコンセプトに札幌の活力ある都市の街並みと北海道の雄大な大自然をつなげる架け橋として、創生川に面した新しい札幌の顔となるようデザインされることになっており、内装には北海道と札幌市にゆかりのある素材を活用するなど地域と連携した駅づくりを行うことになっています。新幹線と在来線の乗り換え時にスムーズに移動出来るように、コンコース階とホーム上に動く歩道が設置される予定で、新幹線の高架橋を生み出す空間を作るために1番線を廃止し、昨年の10月16日から11番線の使用が開始されました。
札幌駅はかつては地平駅で、踏切問題を解消するために1988年に高架駅になりましたが、計画当初は、東北新幹線の建設工事が最盛期で、その延長線上に北海道新幹線構想があったため、将来を想定した形で、高架橋の位置を決めました。延伸後は、東京―札幌間を最速4時間半で結ぶ予定になっており、JR北海道では、東北新幹線での最高運転速度360Km/hでの運転を目指した新型車両を開発するJR東日本、建設主体である鉄道・運輸機構と連携して、最高運転速度320Km/hでの運転を目指すことになっています。また、新幹線の乗り継ぎアクセスの構築による、北海道内各地への特急輸送体系を構築することにもなっています。
当初の計画では、北海道新幹線は2000年に新青森―札幌間が開通する予定で、2016年3月26日に新青森―新函館北斗間が先に開通していますが、工事が順調に進めば、31年越しの計画が実現することになります。北海道新幹線新函館北斗―札幌間が延伸することによって、経済と地域の活性化に大きな役割を担うことになりますが、観光需要が高まるだけでなく、新幹線の線路は、在来線より雪に強い構造になっているため、冬季においても安定輸送を確保出来るメリットがあるほか、東京や仙台との所要時間が大幅に短縮されるので、8年後には北海道内の輸送体系が大きく変わるでしょう。
参考文献
「札幌高架、札幌駅二次開業」南篠道夫 JREA1990年11月号社団法人日本鉄道技術協会平成2年11月1日発行
「JR北海道グループ長期経営ビジョン」等について 2019年4月北海道旅客鉄道株式会社
「北海道新幹線札幌延伸に向けた工事について~11番ホーム使用開始および札幌駅周辺での工事計画~」2022年8月17日
「新幹線札幌駅の概要について」2022年3月16日