戦争に翻弄された交通営団
東京メトロの前身である帝都高速度交通営団が民営化されてから、今年で20年が経ちますが、戦争に翻弄された歴史を持っています。 昭和初期の東京における都市高速鉄道は、効率性と整合性に問題が多く、地下鉄建設を核とする交通調整が、強く求められていました。そんな状況に対し、民間団体や交通事業者の経営者から政府などに対して解決の要望があり、1938年3月に陸上交通事業調整法が成立されました。陸上交通事業調整法の成立を受けて、公共性の高い東京の地下鉄は、地下鉄の父とも呼ばれる早川徳次が五島慶太との経営権争いに敗れたこともあって、公的な性格を持つ特殊法人が運営することになり、1941年に帝都高速度交通営団が設立され、銀座線の原型でもある東京地下鐡道と東京高速鐡道は、国と東京都によって運営されることになりました。