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東京メトロが来年度の夏以降に完全民営化へ

経営
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東京メトロは、国と東京都が株式を保有する特殊会社で、国と東京都は株式の売却を進めて完全民営化をすることになっており、東京メトロは株式上場に向けた準備を進めていますが、国と東京都が東京メトロの株の売却を来年度中に開始し、東京メトロは来年度の夏以降に株式の上場を目指すことが、先日の報道で明らかになりました。

前身の帝都高速度交通営団は、1986年に国の臨時行政改革推進審議会が営団を5年以内に特殊会社に改組し、地下鉄路線がほぼ整備され、路線運営が主たる業務となる時点において完全な民営企業とすることを答申したため、1987年に地下鉄路線がほぼ整備され、路線運営が主な業務となった時点において、完全民営化を目標とすることが国会において閣議決定され、営団は国と東京都によって運営されてきましたが、2004年に民営化され東京メトロになりました。営団の前身である東京地下鐡道は、上野駅構内で地下鉄ストアを経営していましたが、営団は国と東京都が運営していたこともあって、関連事業には厳しい制約があり、関連事業は駅構内での売店の営業や中吊り広告での広告収入に限られていましたが、民営化により幅広い分野への進出が可能となり、株式上場に向けて、事業の多様化を急ぐことになっています。営団職員は、公務員と同じ雇用形態でしたが、民営化して東京メトロになった今でも、特殊会社であるため、社員の雇用形態は、半会社員・半公務員のような形態になっており、完全民営化後は、株式が上場している他の鉄道事業者と同様の雇用形態になります。

東京メトロは、2006年に上場準備室を設置して準備を進めてきましたが、東京都は、2024年度予算案に株式売却に向けた関連経費として約36億円を計上し、市況を見極めながら具体的な時期を詰める方針で、国と東京都で株式の100%を保有しています。そのうち、50%の売却を目指し、国の売却益は東日本大震災の復興財源に充てることになっており、完全民営化によって首都東京の競争力強化と利便性向上など、大きな成果が期待されます。

現在、東京メトロは有楽町線と南北線の延伸工事を進めていますが、営団を民営化した国と東京都の方針は、営団の設立目的である地下鉄路線の整備に目途が立ったことによる経緯であることから、13号線(副都心線)を最後に新線の建設を行わない方針でした。それでも、最近になって建設機運が高まり、東京メトロは、沿線の開発状況等を勘案した輸送需要予測の動向を踏まえて、交通政策審議会答申第371号及び国と東京都の合意に基づく十分な公的支援及び株式の売却が確実に実施されることを前提に、関連する両路線の整備主体となることがさらなる企業価値向上に資するものと判断して建設を担うこととしており、新線計画がある有楽町線と南北線を除いて新線建設を行わない方針を改めて発表しています。東京メトロが発足してから、今年の4月で20年が経ちますが、完全民営化によって、新たな一歩を踏み出すことになりそうです。

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