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落ち葉による車輪の空転

運転
板谷峠を走行する719系5000番代
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秋になると、落ち葉による車輪の空転で、列車に遅延が生じてしまうことがありますが、なぜでしょうか。

その理由は、秋から冬にかけて落葉した葉が線路内に多く落ちますが、葉には油分が多く含まれているため、車輪で踏みつぶすとレール面に油分が付着して、滑走しやすい状態になり、秋は、朝晩の気温差が大きく、朝は気温が低くなるため、レール面に霜が付着することもあるので、落ち葉による油分と合わせて、レール面が車輪の空転や速度低下しやすい状態になるからです。奥羽本線(山形線)は庭坂ー関根間で板谷峠を越えますが、山間部でレール上の落ち葉の量が多いため、JR東日本東北本部では、車輪の空転を防ぐために、昨年の秋は、1日の運転が終了した後の深夜時間帯にレール上の清掃を行ったり、同線の福島―米沢間で運転する列車の両数は2両ですが、駆動力を高めるために、4両に増結する措置を行いました。

山形新幹線

奥羽本線(山形線)は、山形新幹線と線路を共用しているため、新幹線車両は在来線の車両より駆動力が高いので、落ち葉を飛ばすために、普通列車を待避線のある駅に待避させて、つばさを先に走行させる措置も行われました。同線で運用されている719系5000番代は、製造から30年以上が経つので、そろそろ置き換えの時期になると思いますが、落ち葉による空転を防止するために、後継車は新幹線車両並みの駆動力で、設計した方が良いと思います。

東北本線は、藤田ー白石間で越河峠を越えますが、越河峠では車輪の空転による速度低下により、峠を越えるだけで、3時間以上掛かったケースがあります。勾配の途中で車輪の空転により、起動不能になって、伝令法により救援の機関車を連結したケースもあり、勾配区間で列車が停車してしまうと線路条件によっては、レールと車輪の摩擦係数(粘着係数)が弱くなり、起動不能になることもあります。東北本線は、仙台圏を中心とした旅客輸送の他にも貨物列車の重要な輸送ルートでもあるため、輸送障害が発生すると東北や関東圏の貨物列車だけでなく、北海道や九州方面にまで遅延が波及してしまうことがあります。車輪の空転が見込まれる時は、速度を保つために、越河峠の手前にある白石駅に停車予定の上り貨物列車を通過扱いにしたり、旅客列車を待避線のある駅に待避させて、貨物列車を先行させる措置を行うことがあります。

JR東日本東北本部管内では、陸羽東線や只見線でも落ち葉による車輪の空転が発生しており、これまで行ってきた対策は、対処療法であるため、完全に防ぐことは出来ていませんが、JR東日本は、試行錯誤を続け、どの対策が有効か検討しており、落ち葉は鉄道の鬼門でもあります。

参考文献

「運転整理特集 東日本旅客鉄道 東北本線における空転に対する取組み」橋本学(東日本旅客鉄道(株)・東北本部運輸車両部 指令室 室長)運転協会誌2023年7月号一般社団法人日本鉄道運転協会2023年7月1日発行

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