線路設備モニタリング装置

線路設備モニタリング装置 車両
車両の床下に搭載されている線路設備モニタリング装置

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JR東日本はICTを活用した業務革新の一環として線路設備モニタリング装置の導入を進めています。

線路設備モニタリング装置とは、営業用の車両に搭載して走行中に線路の状態を確認することが出来る装置で車両の床下に搭載されており、軌道変位を測定する軌道変位測定装置と軌道材料を検査する軌道材料検査装置の2つの装置から構成され、2013年からE233系1000番代に搭載して走行試験を実施し、2018年7月に本格的に導入が始まりました。軌道変位測定装置はレールにレーザーを照射して線路の歪みを測定し測定したデータを保線技術センターへ伝送する装置で、これまで電気・軌道総合試験車のE491系”E ast i- Eに搭載されている軌道検測装置はセンサー類が台車に取り付けられ車上に演算装置が必要であるため全体的に複雑な構成であるため、その装置をそのまま営業車両に搭載するのはスペースの関係上困難でした。営業車両に搭載するには車上の演算処理装置を含めてシンプルで車上搭載を必要としない構成とする必要があったため、鉄道総合技術研究所が開発した慣正矢法による軌道検測手法を選定し車両の床下に搭載が可能になり、無人で線路の状態を測定する技術と測定したデータの中からノイズ等が少なく最も品質の高いデータを選定する技術が確立されました。軌道材料モニタリング装置は距離を測定出来るプロファイルカメラと濃淡が分かるラインセンサーカメラでレールとマクラギを固定する金具(レール締結装置)の状態やレールとレールをつなぐボルト(継目板ボルト)の状態などを撮影します。在来線の最高運転速度である130Km/hでの走行時でもマクラギ1本1本の状態を確認出来る画像の収録が可能で、特にレール締結装置や継目板ボルトの不具合は、自動で判定出来る技術を確立しました。

線路設備モニタリング装置が導入されたことによって、年4回の電気・軌道総合試験車の”E ast iによる検測よりも高頻度に線路の状態を把握することが可能になり、タイムリーに補修作業を行うことで、効果的な保線作業と営業列車が走行した状態で保線作業の結果を評価することも可能になるので、乗り心地と安全・安定輸送の向上が期待されます。

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現在、首都圏の線区と地方の幹線で導入が進んでおり、今後は地方交通線とJR北海道でも導入が検討されています。

また、新幹線用の線路設備モニタリング装置の開発も行われており、線路設備モニタリング装置が導入されることによって、鉄道の安全性がさらに向上することを期待したいです。

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JR東日本びゅうダイナミックレールパック

参考文献

「京浜東北線における営業列車使用の線路設備モニタリング試験」寺島 令 佐藤 陽 JREA2013年10月号一般社団法人日本鉄道技術協会発行

「線路設備モニタリング装置」京浜東北線営業列車による走行試験について 2013年5月8日東日本旅客鉄道株式会社ニュースリリース

「線路設備モニタリング装置の本格導入について」2018年7月3日東日本旅客鉄道株式会社ニュースリリース

JR東日本仙台支社における「線路設備モニタリング装置の導入」について 2020年2月27日JR東日本仙台支社ニュースリリース

「JR北海道グループ長期経営ビジョン」等について 2019年4月9日北海道旅客鉄道株式会社

「Special edition paper 線路設備モニタリング装置の更なる活用に向けた研究開発」東日本旅客鉄道株式会社

「Special edition paper 営業列車搭載型線路設備モニタリング装置の開発状況と今後の展望」東日本旅客鉄道株式会社

株式会社日本線路技術ホームページURL(https://www.kk-nsg.co.jp)2023年3月1日参照

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