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東西線は地下鉄路線なのに南砂町ー西船橋間は地上を走行する理由

建築
東京メトロ東西線の地上区間(葛西駅)
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東西線は地下鉄路線なのに、南砂町ー西船橋間では地上を走行しますが、それは一体なぜでしょうか。

東西線は、東京都心へ向かう旅客の増加に伴い混雑する国鉄(現在のJR東日本)中央線・総武線のバイパス路線として1969年に全線が開通しますが、南砂町ー西船橋間は地盤が弱く農地が広がり、住宅も少なく東京とは思えないような風景で、これが地下鉄なのかと目を疑うような感じでした。そのため、地下で建設するよりも地上で建設した方が建設費の低減が可能なので、南砂町駅付近にある坑口から西船橋まで高架線で建設され、日本の地下鉄における連続する地上区間としては最長となっています。建設当時は、田んぼが多くロングレールを輸送出来るだけの道路が無かったため、レールは50ーN形(50㎏/m)で25mのものを使用し、必要な箇所には16番の分岐器を使用して、保安度の向上と運転能率の増大を図り、マクラギはPCマクラギで、騒音防止のため、弾性締結装置を用いて、道床は、地下区間は、マクラギなしのコンクリート道床、地上区間は、地盤が非常に軟弱で条件が悪いため、地盤沈下を考慮して、バラスト道床とし、ある程度の高低調整が可能のように配慮されています。

東京メトロには東西線の他にも、千代田線や有楽町線に地上区間がありますが、地下鉄なのに地上を走行するのは用地取得の問題やコスト、地形など様々な要因があったりします。

参考文献

「地下鉄東西線の全通と中央・総武線直通運転」大塚和之 鉄道ファン1969年6月号株式会社交友社昭和44年6月1日発行

東京地下鉄道東西線建設史 帝都高速度交通営団1978年発行

巷説 東京地下鉄道史 もぐら見聞録 吉村新吉日本鉄道図書株式会社1985年発行

あしたのメトロ東西線 東京地下鉄株式会社2015年発行

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