東京メトロ丸ノ内線方南町支線中野富士見町ー方南町間は、支線として建設された経緯もあり、同区間を走行する列車は、３両編成で運転されていましたが、輸送改善計画の一環として、方南町駅のホームを延長し、6両編成の列車が入線可能になったので、2019年7月5日に行われたダイヤ改正から、池袋方面からの列車が乗り入れています。
同線の中野新橋駅と中野富士見町駅は、中野富士見町に銀座線と丸ノ内線の車両の整備と検査を行う中野検車区と中野工場がある関係で、ホームの長さが6両編成の列車に対応しており、池袋方面から中野富士見町まで直通する列車もありますが、方南町から池袋・荻窪方面へ行く場合、中野坂上駅での乗り換えが必要で、混雑が課題でした。方南町駅も、６両編成の列車は入線可能でしたが、運転に必要な過走余裕距離(万一列車が停止位置目標を通り過ぎても停止できる距離)が足りなかったため、このような場合、6両編成の列車が営業運転で入線するのは、現実的ではないので、過走余裕距離(万一列車が停止位置目標を通り過ぎても停止できる距離)を確保するためにホームを延長し、老朽化した駅舎の建て替えも同時に行いました。
方南町駅のホームが延伸されたことによって、混雑が緩和され、利便性が向上するなど、丸ノ内線全体に大きなメリットをもたらしましたが、計画時の交通需要統計から将来的にも、４両編成で運転すれば十分とみなされていたので、6両編成の列車が営業運転で入線可能になったことは、地下鉄の歴史の転換点にもなったでしょう。
参考文献
東京地下鉄道荻窪線建設史 帝都高速度交通営団昭和42年3月31日発行
東京メトログループ社会環境報告書2019 東京地下鉄株式会社経営企画本部経営管理部2019年9月発行
「2019年7月5日(金)丸ノ内線でダイヤを改正します」東京メトロ2019年6月6日ニュースリリース