東京メトロ有楽町線が豊洲から野田市まで延伸する計画がありますが、足立区が地下鉄8号線建設促進並びに誘致期成同盟会へ加入したことにより、延伸に向けて計画が前進しました。
有楽町線の延伸計画は、1972年3月1日に都市交通答申第15号により豊洲ー亀有間の延伸計画が示され、帝都高速度交通営団(現在の東京メトロ)は東京の下町地域における都市高速鉄道網の整備を進めるため、地方鉄道敷設免許を1982年に申請しました。1985年7月11日に運輸政策審議会答申第7号により豊洲ー武蔵野線方面への延伸計画が2000年の開通を目標に示され、2000年1月27日に運輸政策審議会答申第18号により、豊洲ー東陽町ー住吉ー押上ー四ツ木ー亀有ー野田市間が2015年までに整備を推進すべき路線として位置付けられました。住吉ー四ツ木間は半蔵門線と線路を共用することになっており、営団は民営化により2004年に東京メトロになりましたが、2016年4月20日に示された交通政策審議会答申第198号では、開通時期については明確に示されていないものの豊洲ー住吉間は国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト、押上ー野田市間は地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクトとして位置づけられ、事業性に課題があることと複数の都県を跨る路線であり、関係地方公共団体等が協調して事業性の確保に必要な沿線開発の取り組みなどを進める必要があるため、現在、課題の整理に向けた様々な取り組みが行われています。ルートは、豊洲ー枝川(仮称)ー東陽町ー千石(仮称)ー住吉ー錦糸町ー押上ー四ツ木ー亀有ー八潮ー越谷レイクタウンー野田市に至るルートで、ルートのうち豊洲ー住吉間は2030年代半ばを目標に整備を進めることが昨年の3月に発表されましたが、八潮―野田市間については先行開業することも検討されています。
開通が実現した場合、千葉県北西部と埼玉県東部および東京都北東部から東京都心部へのアクセス利便性の向上や鉄道不便地域の解消、地域の魅力と活力の向上、環境負荷を低減するための公共交通体系の充実が期待され、野田市からさらに茨城県西南部の坂東市や下妻市を経由し桜川市方面へ延伸する構想もあります。1986年に国の臨時行政改革推進審議会が営団を5年以内に特殊会社に改組して、地下鉄路線がほぼ整備されて、路線運営が主たる業務となる時点において完全な民営企業とすることを答申したため、1987年に地下鉄路線がほぼ整備されて路線運営が主な業務となった時点において、完全民営化を目標とすることが国会において閣議決定され、営団は日本政府と東京都によって運営されてきましたが、2004年に民営化され東京メトロになりました。そのため、東京メトロは営団を民営化した日本政府と東京都の方針は、営団の設立目的である地下鉄路線の整備に目途が立ったことによる経緯であることから、13号線(副都心線)を最後に新線の建設を行わない方針でした。それでも、最近になって建設機運が高まり、東京メトロは沿線の開発状況等を勘案した輸送需要予測の動向を踏まえて、交通政策審議会答申第371号及び国と東京都の合意に基づく十分な公的支援及び株式の売却が確実に実施されることを前提に、関連する両路線の整備主体となることがさらなる企業価値向上に資するものと判断して建設を担うこととしており、新線計画がある有楽町線と南北線を除いて新線建設を行わない方針を改めて発表しています。
豊洲駅の2・3番線ホームは、豊洲ー野田市間延伸後には野田市までの列車が発着することになっており、東京メトロから野田市までの延伸について発表は出ていませんが、早期実現を願いたいです。
参考文献
「東京圏鉄道未来図特集 2020 03 東京圏鉄道整備プロジェクトの現状」鉄道ファン2020年8月号 株式会社交友社令和2年8月1日発行
東京地下鉄道有楽町線建設史 帝都高速度交通営団1983年発行
「有楽町線延伸(豊洲・住吉間)及び南北線延伸(品川・白金高輪間)の鉄道事業許可を受けました」 東京地下鉄株式会社2022年3月28日のニュースリリース
みんなの力でのばそう地下鉄!! 地下鉄8・11号線促進連絡協議会
2030鉄道実現委員会ホームページ URL(www.2030-chika8.jp)2023年7月29日閲覧