つくばエクスプレスは秋葉原ーつくば間58.3Kmを結ぶ路線で、今年の8月で開通から18年が経ちますが、秋葉原ー東京間の延伸計画があります。
つくばエクスプレスの整備計画は、1985年に運輸政策審議会答申第7号により、常磐新線として東京から秋葉原、浅草、北千住、八潮市南部、三郷市中央部、流山市南部、柏市北部を経由して北相馬郡守谷町を結び、将来的に筑波研究学園都市まで延伸するというもので、常磐線の混雑緩和と沿線開発を目的に、茨城県の主導で検討が進められていました。1988年に第1期区間として秋葉原ー筑波研究学園都市間を整備する基本フレームが決定し、当時、バブル経済の影響で都心の地価が高騰していたため、建設費を削減するために起点が秋葉原に変更されました。理由としては当時、神田青果市場が1989年に移転したことと国鉄(現在のJR東日本)秋葉原貨物駅の跡地を含めた秋葉原駅周辺の再開発が進められており、新設25mの都市計画道路の直下に駅のスペースを確保出来たことが挙げられますが、秋葉原ー新御徒町間で交差する蔵前橋通りに埋設されている上水道と下水道の管を避ける必要があったことと、将来の秋葉原ー東京間の延伸を考慮するとワシントンホテルの支持抗を避けられる深さで建設しなければならなかったため、秋葉原駅のホーム地下35mの深さに設置せざるを得ませんでした。秋葉原ー東京間の延伸計画は、2000年に発表された運輸政策審議会答申第18号において、「今後整備について検討すべき路線」として位置づけられ、2001年2月に路線名称がつくばエクスプレスに決定し、2005年8月24日に秋葉原ーつくば間が開通します。東京駅を丸の内仲通りの地下に1面2線の島式ホームを設置した場合、地下トンネル約2Kmの建設費は約1000億円、建設期間は約6年と試算されており、秋葉原駅よりもさらに深い位置に設置される東京駅での他社路線への乗り換えの円滑化や事業化に課題があり、首都圏新都市鉄道としてはこの計画に関して国や関係自治体などと共に検討して行く必要があると公表していますが、2016年に発表された交通政策審議会の答申では都心部・臨海地域地下鉄構想との一体整備が示されています。
東京まで延伸することによって東京都心への利便性の向上や首都圏の発展にも大きく寄与することが見込まれており、開通予定時期についてはまだ発表されていませんが、今後の動きに注目したいです。
参考文献
首都圏新都市鉄道株式会社ホームページ URL(https://www.mir.co.jp)2023年5月25日閲覧
「審議会答申案にTX東京延伸&相互直通運転」4号車の5号車寄り
URL(https://4gousya.net/forums/post/審議会答申案にtx東京延伸&相互直通運転)2023年5月25日閲覧
東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)平成28年4月7日
「東京圏鉄道未来図特集 2020 03 東京圏鉄道整備プロジェクトの現状」鉄道ファン2020年8月号 株式会社交友社令和2年8月1日発行