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JR東日本では、電力関係の設備の簡素・統合化を進めるために近年、首都圏の線区にインテグレート架線の設置を進めています。
首都圏の線区における電車線路(電車に集電装置を介して電気を供給するために架設する電線路とそれを支える工作物の総称)は、これまでコンパウンド架線やインパウンド架線が主流でしたが、これらの設備は部品点数の多さが課題となっていました。そのため、設備の老朽時期に伴せて昨日は同じでありながら構成する設備の数が少なくスリム化された架線として、JR東日本と三和テッキ株式会社が共同でインテグレート架線を開発しました。
ツインシンプル架線の線条数は6本、コンパウンド架線の線条数が5本なのに対してインテグレート架線は線条数が3本で、トロリ線の架線本数削減やき電線とちょう架線を統合したき電ちょう架線を設置して設備数削減によりメンテナンスコスト削減や高圧の配電線を地上の高圧ケーブルへ変更し、メンテナンス性の向上と修繕費の削減、感電墜落事故を減少させる効果があります。その他にも保線作業時における作業環境の改善や良好な景観を保つのにも効果があり、今後は東北地方の線区にも設置することが予定されています。
インテグレート架線はJR東日本独自の名称で、他の鉄道会社でも似たような架線が使われており、今後は、インテグレート架線と同じような架線が普及するのかもしれません。
参考文献
「地上設備メンテナンスにおける安全・安定輸送に向けた取り組み」2020年12月8日東日本旅客鉄道株式会社のニュースリリース
JR東日本ホームページURL(https://www.jreast.co.jp)2023年4月22日参照